がんの薬物療法で起こる副作用は完全に防ぐことは出来ませんが、日常的にケアを継続することで、皮膚障害の悪化を防ぐことは可能です。そのためにもかゆみや痛みなどの自覚症状だけでなく、皮膚をよく観察して状態を知ることが大切です。その上で適切なケアを行います。

保淸のポイント・・皮膚は清潔に

皮膚が汚れたら洗いましょう
石けんは刺激の少ないものを使用しましょう
石けんは良く泡立てて使用しましょう

保湿のポイント・・皮膚を乾燥させない

保湿ケアに使用するローションやクリームは香料や添加物が少なく、アルコール成分が入っていないものを選び、たっぷり塗りましょう 手洗いや入浴後はこすらずに水分の押さえ拭きを行い、皮膚がしっとりしているうちに保湿ケアをしましょう。保湿剤を使用した後は、手袋や靴下で皮膚を保護するとより良いでしょう。 熱いお湯の使用は避けて下さい(40度以下で)

保護のポイント・・皮膚への負担を避ける

皮膚の刺激となる行為=紫外線、ケガ、虫刺され、摩擦、締め付けること、喫煙、不潔な状態でいることなどを避けましょう。

メイクアップ

化粧品は普段使用している化粧品でも何か異常を感じたら、薬物治療期間中の使用はやめましょう。一般的には、無香料、アルコール成分の入っていないものなど低刺激性の化粧品が良いとされています。

メイクの際のポイント

お化粧をしている時間を可能な限り短くしましょう。
お化粧をする前には、保湿ケアを十に行いましょう。
ファンデーションを塗るときは、摩擦しないように軽くパッティングするようにしましょう。

クレンジング

クレンジングはオイル、クリーム、ジェルタイプなどありますが、オイルタイプは一般的に洗浄力が強く、皮膚の負担が強いため使用を避けましょう。 また、拭き取るタイプは皮膚を摩擦し、刺激することもありますので、洗い流すタイプをおすすめします。

ひげそり

髭を剃る前には蒸しタオルなどで皮膚を柔らかくしましょう。
皮膚に負担のかかるカミソリは使わず、負担の少ない電気シェーバーを使用して下さい。
深剃り、逆剃りは皮膚を傷つけることがありますので避けましょう。
治療中は感染しやすいので、使用後のシェーバーは洗浄、消毒しましょう。

日焼け防止

紫外線対策をしっかり行いましょう。帽子、日傘、長袖、手袋の着用などで皮膚の露出を避けて下さい。
日焼け止めのローション、クリームを使用するときはアルコールや添加物が少ないものをしようしましょう。
汗や皮脂などで落ちて持続効果がなくなりますので、繰り返し塗るようにしましょう。
紫外線に対する効果の高い日焼け止めは、皮膚への負担も大きいため、帰宅したら洗い流すようにしましょう。
(参考:静岡県立静岡がんセンター「抗がん剤治療と皮膚障害」)